メヌエットのテンポ

ピアノの幼い学習者が必ず通過するバッハのト調のメヌエット(レーソラシドレ・ソ・ソ)が、今年の小学1、2年生部門のピティナのコンクールの課題曲の一つになっていて、只今挑戦している生徒さんがいます。

ピティナのコンクールには参考CDというのがあり、購入できます。それぞれの課題曲を2人の奏者が微妙に違う演奏をしています。

あくまでも参考ですので、真似をすることが大事なわけではないのですが、そうは言っても、テンポに関してはこれがピティナのコンクール的常識の線なのかと迷うところです。

この曲に関して、参考CDは2人とも流れが良く近代的といったスタイルです。ところが私の持っているエッシェンバッハの弾くCDでは、もっとずっとゆっくりです。落ち着いた美しさがあり、私には馴染みのバロックのニュアンスで好きな演奏です。

良い演奏とはテンポが速ければ良いわけではなく、こだわるべきは美しい演奏なのはわかってはいても、以前、参考CDより遅く弾いては不利ですナンテ話も耳にしていると、テンポはどうしようかなと思ってしまうのですね。

んーでも、これを書きながら思いつきました。速い遅いのテンポではなく、生徒さんの感性の中に音楽そのものを任せてみようかな。バロック的なテンポ、コンクール的なテンポなどと指導すること自体、ピュアな小学生にとっては余計な配慮かもしれないですね。