ピアノ学習教材

ピアノ学習者用の教材は昨今とてもたくさんの種類があり、指導者にとってどの教材を使用するか、大変悩ましいです。

初級、中級の生徒さんが公のコンクール等イヴェントに参加する場合、課題曲が決められていると、課題曲には必ず新しい教材からの曲が含まれています。やはりそこは参加する生徒の指導者としては見たうえで判断したいということになると、レッスン室にはまたまた新しい教材が増えてしまいます。

新しい教材を見るとそれぞれの良さがあります。そんな中からこの生徒さんにはこれかな?というように、一人一人に応じて選択はしていますが、また別の新しい教材が来ると、こっちの方が良かったかしら、などと迷うことも。

これと、これと、これで良しと確信を持てると良いのですが、時代とともにマッチする曲も変わり、生徒さんの目的や個性も様々で、難しい選択となります。

例えば初級コースで最近人気のバスティンやアルフレード等アメリカの教材の場合、家庭環境的にジャズやポップスを聞きなれている生徒さんは割に受け入れてくれますが、そうでない生徒さんはやはり違和感を持つようで、日本人による教材のほうが好きになってくれます。

その日本の教材もよく考えられているものが多いのですが、次々新しい本が出版され、選ぶ側としては選択肢が多すぎて考え物です。

そのほかハンガリーの教材、フランスの教材、ロシアの教材もあります。

世界各国のお料理を前にどれを食べさせようかみたいな感じでしょうか。

私のころは、とにかくバイエルとメトードローズから出発。そしてブルグミュラーからインヴェンション、ハノン、ツェルニー、ソナチネ。このあたりでロマン派の華やかな曲を入れながらソナタへ。がお決まりコースでした。先生は教材に悩むことなど無かったであろうなぁ。特に私のような平凡な生徒では。

溢れんばかりの教材の渦巻きに足をすくわれないように、何を学んで欲しいか、何が必要か、指導者として常に肝を据えて考えていなくてはと思うこの頃です。