今月9日に、「ボーカデミア」というロシア国立モスクワ・アカデミーの学生や卒業生で構成されているボーカルアンサンブルを聞いてきました。(ミューザ川崎)この日は、女声6名、男声6名による各パート3名ずつのアンサンブルで、プログラムはオールロシア民謡です。
素晴らしいコンサートでした。メンバーは合唱を専門に学ぶ大学および大学院の在校生や卒業生ですから、声楽的能力はもちろんのこと、アンサンブルレヴェルがものすごく高いです。その上それぞれの編曲の質が良く、全体が温かさとユーモアと品格のあるステージでした。私としては大変癒される時間が過ごせて、とても満足でしたし勉強にもなりました。
アンサンブルレヴェルとして、まず音程と各声部のバランスが神業的です。そして何よりも発声ですが、それぞれがオペラやソリストとしての声ではなく、アンサンブルを目的とした発声で統一されているので、ハーモニーは大変柔らかでしなやかな響きでした。曲によってソロで歌う部分もありましたが、そこはもちろん使い分けていました。(発声が単一でなく、曲想に応じても微妙に使い分けています。)
あの柔らかな響きはなかなか忘れられないです。アンコールに「見上げてごらん夜の星を」を素敵なピアノ伴奏(編曲が良かった)とともに日本語でサラリと歌われたとき、また「カリンカ」で会場全体の手拍子と自然に一緒になったときにはグッと心が熱くなりました。
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