結婚してすぐに、奮発して買ったスピーカーがTANNOY(タンノイ)のスピーカーです。秋葉原のオーディオ専門店へ二人で行き、いくつか聞き比べた中、このスピーカーのしなやかな音がとても気に入り、予算オーバーながら決断しました。イギリスのメーカーです。
マンションの狭い居間に置いたこの大きなスピーカーの音で我が子たちは育ったと言えるかもしれません。現在のさいたまに引っ越して、そのスピーカーはピアノの部屋に置かれましたが、子供たちの成長とともにそれぞれが自分の機器で聞くようになると、次第に夫専用のようになっていきました。(私はピアノの部屋で練習をしたり仕事をした後は、同じ部屋で音楽を聴いてリラックスタイムとはならないわけです。気持ちが切り替わらないので。)
その夫が倒れたとき、家の中を総決算整理をしましたが、タンノイのスピーカーも今風のコンパクトなものに変えたいと何度となく迷いました。
さて、先日、総決算整理第2弾ということで思い切って、このスピーカーを夫の寝室へ移動しました。大きいので業者さんを頼みました。(代わりに壁1面の本棚も移動しましたから結構な労力でした。)
夫の寝室はリビングとつながったその奥ですから、寝室はもちろん、リビングでもダイニングでも十分に聞くことが出来るという効果をねらったのです。
これが大正解でした。40年経ったタンノイのスピーカーが生き返りました。すごく良いです。いくら聴いていても飽きません。家事をしながら、ふと休みながら、いつでもずっと聴いていたいくらいなのです。
夫が倒れてこの10年ほどは、夫がリビングで聞く、ポータブルCDプレーヤーの大音量オーケストラの音がうるさくて、本当に辟易していたものですが、今はこうも違うものかと思うくらい、音楽のある空間が喜べます。
美しい音というのもがこんなに身体になじむものかと実感しています。気付かないまま、なじまない響きに囲まれる不快感というのもあることも知りました。