イヴ・サンローランを見て

映画「イヴ・サンローラン」を見ました。

ブランドものは無縁且つ苦手の私ですが、あの素敵なロゴは若い頃から気に入っていました。でも、せいぜいハンカチや口紅くらいしか手にしたことはありませんし、フランスの有名なデザイナーといった程度の認識くらいしか無いまま見に行きました。

この映画では、彼の天才としての輝きの部分と同時に、天才であるがゆえの繊細で脆い部分、孤独と苦しみと自己破壊へと向かってしまう部分、そしてそれを支える周りの人間の愛情と苦しみが描かれていました。ファッションのことはわからなくても、見ごたえがありました。

フルに自らの才能を燃焼させた意味では素晴らしい芸術家としての人生だったと思いますが、天才の裏側の苦悩を垣間見るにつけ、やはり天才という特殊な運命を背負って生きなければならない事実は、見ている側は身が引き締まる思いと同時に気の毒な思いもしてしまいます。

バックにマリア・カラスのトスカの歌が流れるのですが、イヴ・サンローランの後期作品とオペラ「トスカ」のイメージは微妙に違うのですが、デザイナーであるイヴ・サンローランの人生と歌手マリア・カラスの人生とを重ねていたのかもしれません。

長年のパートナー(男性)の深い愛情と時には屈折した愛情も自然体で描かれています。天才の苦悩と対峙し、包みこんできた大きな愛情が現実においても、「イヴ・サンローラン」という映画の中でも、ある種の品格を与えていたようにも感じました。

とりあえず我が身が天才でなくて良かった、良かった。

連弾

9月21日にさいたま市産業文化センターにて「音楽家の集い」というコンサートに友人と連弾で出演します。

曲はブラームスのハンガリー舞曲4番と6番を弾きます。

私は低音側のセカンドを受け持ちます。楽譜上は割に易しいとはいえ、次第に本番が近付くにつれお互い本気度が上がってくると、やはり難しいものです。

ジプシー的な活力、情熱、憂いをどう織り交ぜるか、どう揺らすか、ペダリングは、間合いは、2人のアンサンブルの中でどちらのどの音を出し、どの音を隠すかなどなどまったくきりがなく問題点が出てきます。

そんな勉強の時間を持てたことは久しぶりのピアニストとしての刺激にはなっていますが、この本番までの苦しみと不安と楽しみの混ざった変な日常。さてあと4日ほどの追い込みです。

夏休み終了

本日、次女が長い夏休みを終えドイツへと帰りました。今回7月22日に帰国しましたので、6週間の滞在でした。

今年の夏は彼女が帰国してからの6週間、我が家は実にいろいろなことがありました。

7月の末に私のコーラス団合同の大きな本番があり、次女はそのゲスト演奏を引き受けてくれ、長男も忙しい中手伝ってくれました。おかげさまで手前味噌ながら大成功のコンサートとなりました。

8月初めに近い親戚に突然不幸がありました。この悲しみは今でも消えることがありません。考えるにつけ残念でなりません。

そうそう、我が家でも、救急車騒動がありました。誰かさんの食あたりです。幸いその晩に回復し、当日はすっかり元気が戻り食事も普通に出来、ほっとしましたが。

翌週は私の指導しているコーラス団それぞれでの暑気払い、友人達との恒例暑気払い、久しぶりの友人との夏休みの再会等で楽しみました。

そして、8月23日は那須で次女のコンサートでした。その週は共演ピアニストの美奈さんが合わせに我が家まで何回か訪れてくださり、久しぶりに我が家に生の音楽が響き渡りました。

那須の本番は、主人も一緒に連れて行き楽しみました。弦楽亭という素敵なホールで、終了後はオーナーご家族の手作りの御馳走で打ち上げで、皆さまの心のこもったおもてなしに楽しい時間を過ごさせていただきました。

翌日は次女と3人でアルパカ牧場へ寄り、アルパカさんに癒されて帰宅でした。

8月末、長男の肝臓数値が心配数値となり、気を揉みました。

31日は次女の渋谷でのリサイタルでした。

満席の中、親バカですが素晴らしい演奏で大成功でした。

打ち上げではピアニストの美奈さんご家族とも親しくさせていただきました。

長男の肝臓も一過性とのことで、一安心です。

本日、次女と別れてから、普通に夫と昼食をとり、レッスンをして、夕食をとりましたが、そのあと、疲れたのかソファで寝てしまいました。ハッと夜中に起きた時、「今年の夏休みが終えた!」と頭が切り替わった実感がしました。それで、このブログを書いています。

私の目くるめく夏休みが終え、明日からまた仕事と勉強の日常に戻ります。