たかがカーテンされどカーテン

リビングの奥に元書斎があり、現在は障害のある夫が起居しやすいようそこにベッドが置いてあります。その部屋のカーテンですが、25年も前にスーパーで購入した安物がそのままぶら下がっていて、かねてその褪せた色とヘラヘラ感が気になっていたのですが、残りの人生もう少し良質のカーテンと付き合いたいと、とうとう替える算段を始めました。

カーテンの専門店へ行き、数点候補を選定し、そのサンプルが今家に送られて来ています。

本題はここからです。私の趣味の柄を家族(夫と息子)に伝えるたびに、拒絶モードが部屋中漂い、「カーテンは無難なものにしたほうが良いよ」と息子から説得され、それに夫が笑顔でうなずくというわけです。

私が心に決めていた柄は、届いたサンプル数点を息子に見せたときに、彼が真っ先に排除した柄でした。

「えっ、これどういう感じに思うの?」と聞くと、「重すぎ。上流家庭の高級家具で整った部屋なら合うような柄だよ。」とバッサリ。

確かにそう言われてみれば、夫のベッドが置いてある安普請の部屋ではミスマッチかもです。でもでも、「無難の良さはわかるけど、いかにもカーテンていうのもつまらないじゃん。」と揺れる私。

自分の趣味をハタと考えてみたとき、夫選びからして問題ありか、なんてまあこれは冗談として、洋服の選び方などは確かに失敗ばかりです。音楽の作り方も頭で考えたことと感性がちぐはぐするときがあるんだなあ。私はついつい無難な感じや真面目な折り目正しさを避けて面白いセンスや自由な発想に惹かれてしまうのです。そして、これが自分自身の経済的制限が大きく存在する生活の中で結局はどこかしっくりマッチしないわけです。

これはつまり、私自身が未熟な人生観とセンスの持ち主なのか、それとも未だ自分自身になりきれていないのか、おそらく両方なのでしょう。自分を見つめるこの頃。

発表会を終えて

昨日は学生の部、大人の部とも無事に発表会を終えることが出来ました。出演者全員、本当に良く頑張ってくれました。

学生の生徒さんは1か月前くらいには心配だった方が多かったのです。速いところが苦手な子、ついつい暴走してしまう子、ゆっくり過ぎるテンポのままの子、いつも同じところでひっかかる子という感じでしたが、本番ではみーんながとても上手に弾けました。良かったあ!子供たちというのは本番でこれまで一番の力が発揮できるのですね。あらためて子供のしなやかな集中力に感心しました。

「ありのままで」も皆で気持ち良く歌えました。ハンドベルを途中に入れる演出をしましたが、これもバッチリ。可愛いですね。

「ありのままで」は結果的にしてみて良かったと思います。肝心のピアノ曲に集中しづらいかなと少し心配しましたが、子供たちが大好きな歌を歌うことで普段のピアノの練習において気分転換が出来たかと思います。本番でも開演寸前まで「ありのままで」のリハーサルをし、ハイテンションとなりましたが、開演後はちゃんと切り替えてくれました。

大人の部では、違った感動がありました。皆さんのもろもろのご事情を普段のレッソンで伺い、存じ上げているため、いろいろなことを乗り越えながら舞台上で頑張ってくださっているのが良くわかります。しかも皆さん上達されています。毎年手伝ってくれるスタッフからもそれを指摘され、嬉しい限りでした。

さて帰宅してホッとしてTVをつけると、羽生選手が中国の選手とぶつかって大変なことになったとか。どうするのだろうと心配していると、その後出場する決意は揺るがず、ふらつきながら演技をしているではありませんか。えーっ、凄い!けど、大丈夫なの?いやー、この死闘とも言える頑張り。凄いとしか言いようが無い。発表会で疲れきっていたところでしたが、なんだか熱いパワーをもらえた夜でした。

ただ、この件スポーツドクターがTVを見た限りでは、あの状態では試合をしてはいけないとのことだそうですね。素晴らしい若者が無事であることを祈ります。