コンサート終える

先週の土曜日に、ピアノ連弾とコーラスの指揮で出演したコンサートが無事に終えました。3日目に疲れが出る年頃ですから、今日がその日です。案の定、午後はレッスンも無く、夫の通院に付き添い、病院の椅子で長時間待っているとひたすら眠く、ウトウトしているうちには、楽しかったコンサートの余韻はすっかり消え失せました。

思えば、今回のコンサートは、私は夫の介護問題、連弾の相方もご両親の介護問題、コーラスのかたがたもそれぞれ多かれ少なかれ、自分の健康と家族の介護問題を抱えつつの準備だったかと思います。

しかし、だからこその現実を忘れられる楽しさというのか、舞台の時間は貴重だったと言えます。

ドレスとアクセサリーで身を飾り、メイクも濃い目、髪もカールさせ、姿勢を整え、笑顔を作り、さあてと音楽の世界に入り込みます。豊かな音楽に包まれます。介護など無縁だった頃には考えられない心境なのですが、演奏中の時間というのは素晴らしい時間でした。

また、コーラスの方々が大変生き生きと美しい音楽を歌って下さったことも、指揮をしていた私としては幸せでした。皆さんの努力の結晶がとても美しく感じられたのです。

さあ、疲れを癒して明日からまた次なるハレの日を目指します!

 楽屋で連弾の相方と

第1関節とタッチ

26日のコンサートでモーツァルトの連弾を弾きますが、その練習を重ねてみて、自分としては新たな発見が結構ありました。ソロの曲では気付かなかった事かもしれません。

新たな発見の一つはタッチで、それは指の爪のところの第1関節をぐにゃっとさせて弾くタッチです。鍵盤に当たる面積を広くします。

これはこれまでもアルペジオのような伴奏の形や印象派の曲などで使ってはいましたが、モーツァルトでは使ったことはありませんでした。

私は連弾でファーストという高音側を受け持つため(ソロ曲より高音が多い)、右手は普通に弾けばクリアな響きになるものの、どうしても音色が均一になってしまい、セカンドの人の左手低音とミスマッチだったり、全体のメリハリも付きにくく、また左手の伴奏も高音部になるため、普通に小さく弾いてもクリアすぎて不満がありました。それで試しにこのタッチを音楽的に柔らかくしたい部分で使ってみました。結構高音部に軽さや柔らかさの変化が付くことがわかり、発見でした。

これは今後応用できると思いました。

普段、「ピアノの基礎」という大義のもと、生徒にはいつでも第1関節がぐにゃぐにゃしないよう注意しているのですが、要は腕が楽になっていることとそれぞれの関節に力が入りすぎないこと、そして(特に手の小さい人には)第3関節のフォームが大事な基礎であって、第1関節に関しては、「どういう音が欲しいか」を考えてみることのほうが大切なのかもしれません。

ハッピーコンサート

今月26日(土)13:30より、彩の国さいたま芸術劇場にて、「ハッピーコンサート」という、与野音楽連盟主催のコンサートがあります。(入場料500円)

出演は様々な音楽団体で、今回は弦楽合奏、コーラス、声楽デュオ、連弾、フルートとパーカッションといった演目でのコンサートです。

私は、友人とモーツアルトのソナタ(KV521 C-dur)1楽章の連弾で出演し、そして、「コール・エーデルワイス」(女声コーラス)と共に、メンデルスゾーンの「我が心の想い」「秋の歌」と新沼謙二の「ふるさとは今も変わらず」の3曲の指揮で出演します。

気心の知れた音楽仲間に囲まれていることの幸せを感じつつ、準備も真剣度が増してきたこの頃です。

アットホームなコンサートになることと思います。よろしかったらお出かけください。

(連絡先:彩の国さいたま芸術劇場048-858-5500)

ルートヴィッヒⅡ世

ドイツ旅行以来、気になる男性がいます。ピアノを練習していると頭をよぎるのです。彼が私の弾くこのピアノを聴いたら、などと頭をよぎるわけです。これでは怒りながら逃げていくだろうとか、滑稽だと笑い出すだろうとか、これで少しは耳を傾けてくれるかなとか、弾きながら彼が気にいるようにと音を工夫したりして、案外良い練習が出来たりもするものです。

気になる男性とは、ルートヴィッヒⅡ世(1845-1886)というバイエルンの王であった人物で、その数奇な生涯は旅行先で初めて知りました。観光地として有名なフュッセンのノイシュヴァンシュタイン城を建てた王なのですが、彼は自分の芸術的趣味を満たす為だけに税金を使って贅の限りを尽くした城をいくつも建設したそうです。(ワーグナーに心酔し、そのオペラの様々な場面を室内の壁画や絵画等に描かせています。)

結局ノイシュヴァンシュタイン城は未完の部分を残したまま、王は41歳で幽閉された後、湖での謎の死で生涯を閉じます。

ノイシュヴァンシュタイン城の中を見学し、伝説、聖書、神話、ワーグナーのオペラ等の中身は詳しくはわからないものの、それらを題材にした異常とも言える芸術へのこだわり方に圧倒されました。

私はこういう男にすぐ惹かれてしまい、一緒の娘たちに、「ねえ、かっこ良くない?」と聞くと、すげないその返事は、「こういう男は女には興味ないって。いかにもそう見えるでしょう。」でした。

えーそんなっ、と後で調べたら、娘たちの方が見る目有り。はい、わかりやした、とは言え、ちょっと気になります。