一気読み

本を読み始めるとすぐ寝てしまう私ですが、今月珍しくこの2冊は一気に読みました。

  

池井戸作品は明快な勧善懲悪的な展開が好きです。今回もいつものように、サラリーマン社会の表と裏の事情の矛盾を誰がどう判断し、どう暴かれていくかの展開なのですが、これまで読んだ彼の作品よりも、悪と思われる事情が単純では無く、誰でもが陥りそうな過ちでもあるため、どの人物像にも人間的な共感が深まり、とても面白かったです。

また、私の仕事とは全く違う社会での話だからこそすんなりと楽しめたとも言えるかもです。

トットちゃんは、これはもう本当に久しぶりに笑いました。ユーモアのセンス抜群です。書かれているたくさんの失敗談が、読み終えた後も思い出して想像するだけで笑えてくるのですから。

そしてトットさんが多くの人を見つめる眼差しが素敵です。温かさのある真っ直ぐな眼差しが彼女の魅力なのだなと思いました。

ところで人間的な大きさは雲泥の差ですが、失敗談だけは私も負けず劣らずなので、その点も癒されました。