植うる剣に照り沿いし

今日はレッツ・スィングさんの浦和コミセンでの本番で、「愛燦燦」「風」(はしだのりひこ作)「荒城の月」「帰れソレントへ」の4曲を歌いあげてきました。

平均年齢ほぼ80歳、しかも今日は結構良い出来栄えで観客の方々会う人会う人に褒めていただけて、私は大変誇らしく感動する思いでした。10年くらい前に「ヤング@ハート」という高齢者のロックグループの映画が話題になりましたが、当時、この映画がとても良い目標だと思い、団員の皆さんに紹介したことがあります。十二分に目標達成している気がしています!

さて、今日歌った中の「荒城の月」は栄枯盛衰がテーマの土井晩翠の作詞です。ところが特に2番がわかりにくいのです。

秋陣営の霜の色、鳴きゆく雁の数見せて、植うる剣に照りそいし、昔の光今いずこ

なのですが、以前歌った井上陽水の「少年時代」も意味不明でしたが、この2番も雰囲気やテーマは心に響くものの、ネットで検索するといろいろな解釈が成り立つようで、人の解釈や思い込みの面白さを感じます。

「秋陣営の霜の色」からして、戦いが終わり霜の荒野が広がるばかりといった解釈とこれから戦いが始まる凛とした空気という解釈があります。「鳴きゆく雁」という群れが去るような次の詩を照らし合わせると、私は前者を取ります。

一番面白いのは、「植うる剣に照りそいし」の実に様々な解釈です。二木絋三さんのサイトに出ていましたがそこに12通りくらいあり、その他の解釈も見つけたので14通りほどある感じです。私は、戦いが終わり霜の荒野が広がる中に敗れた兵士の無念の白刃が地面に突き刺さって月の光に照らされている、雁は敗れた兵士たちのように群れをなして去っていくといった光景を連想しています。これはどちらかというとあまり見かけない少数派の解釈です。ただしそう思い込むと、1番の春高楼の華やかさと対照的に栄枯の「枯」が2番であると確信を持ってしまうのですが、晩翠先生如何でしょうか?