コロナですっかり出不精になり、この間に出演したコンサートはいくつかあるのですが、聞きに行ったコンサートは今日、2年ぶりくらいです。彩の国さいたま芸術劇場にて、アンヌ・ケフェレックのピアノリサイタルを聴いてきました。ケフェレックさんは調べてみると74歳でいらっしゃいます。日本女性のような小柄な体型の方でした。バッハの小品等とモーツァルト変ロ調のソナタ、休憩を挟んで後半はフランス近代の作曲家の小品集というプログラムで、大曲は一つもなく、全体的にはヨーロッパの街並みに飾られた色とりどりの花々が目に浮かぶような雰囲気のコンサートでした。とは言え、悲哀や絶対的な虚無感(サティの小品とか)のような要素もあるのですが、感情的な処理では無く、構成感のあるとてもコントロールの効いた素晴らしい演奏でした。
ドイツに住む友人から聞く所、ヨーロッパのほうでは、地続きということもあり、ウクライナ情勢が日本以上に大変深刻な問題であると聞いています。ケフェレックさんの演奏にも平和への祈りのようなものがあり(最後に弾かれた曲は、フローラン・シュミット作曲「弔いの鐘」という曲でした)、演奏後に無頓着に拍手して良いものか迷いましたが(それぞれの小品の間の拍手は禁じられていました)、平和への祈りの共有という意味でその素晴らしい演奏に拍手をしてきました。
久しぶりの生演奏はyou tubeとは何気に違う勉強にもなります。先月末から大忙しのバアバ業でしたがこのところやっと普段の生活に戻れ、なんだか久しぶりの外出が気晴らしにもなりました。