新春2017

明けましておめでとうございます。2017年の仕事も始まりました。

実は昨年の暮れに、仕事が終えたとたんに体調を崩してしまい、正月は寝て過ごすことになりましたが、ちょうど仕事が始まる前に良くなり、なんとか無事に始めさせていただいています。

とは言え、今回は気管支をやられた為、まだ歌う声がダメです。日ごとに少しづつ改善していますから、あと、1週間もすれば元に戻る予定です。

我ながら情けない状態ですが、ただ、どんな声が新たに生まれてくれるのか、楽しみでもあります。発声をゼロから見直せるチャンスでもあるからです。以前も同じような経験をしたことがあり、怪我の功名だと思えた覚えがあります。今回もうまく自分の発声を改善できると良いなと期待しています。

 さて、体調が峠を越して外出できるようになった3日に、歌舞伎座の夜の部の公演へ行ってきました。人生2回目の歌舞伎座です。

もちろん歌舞伎のことは無知ですので、イヤホンガイドに助けられながらの鑑賞です。そして大変面白かった、というのが感想です。オペラと同じですね。私の中では、松本幸四郎と坂東玉三郎のやり取り(オペラでいうデュエット?)が圧巻でした。声も演技も掛け合いもオーラも、すべてにおいて完成された本物の芸だと思えました。

愛之助も演技派ではないですか?とても良かったように思いました。新年始めに、鍛え抜かれたものに接し、分野が違えどもすごく新鮮で良い刺激となりました。

チャレンジドコンサート

24日のクリスマスイヴの日に、熊谷の八木橋デパート内のホールにて開催された、「チャレンジドコンサート」という盲導犬育成支援・障がい者支援のチャリティーコンサートへ出演してきました。

熊谷で指導している、女性コーラス「けやき」さんのゲスト出演でした。

「チャレンジド」とは、「障害を持つ人」を表す新しい米語だそうで、障害を自分自身のためにも社会の為にもポジティブに活かしていこうという想いが込められた呼称だそうです。

この日のアーティストは大石亜矢子さんという全盲の女性でした。ソプラノ歌手として、またピアノの弾語りの演奏家として活動されているかたで、賢い盲導犬のイレーヌちゃんといつも一緒です。(お子さんも2人いらっしゃるそうです。)

この企画に参加させていただくにあたり、コーラスの伴奏をその大石亜矢子さんが引き受けてくださるとのことで、事前に、伴奏の部分と歌付きのものをCDに起こして、お渡ししてありました。

当日のリハーサル前の控室で待機していたとき、彼女の歌う美しい声とピアノが聞こえてきまして、わっ、良かった、とすぐわかりましたが、リハーサルは案の定、大石さんの温かな音と音楽的な流れに支えられ、とても歌いやすく、演奏する3曲とも2回ずつ通してOKでした。

凄いですね。楽譜が無ければ何も出来ない私としては、視覚障がい者のかたのご努力、才能、ピュアな姿勢に改めて尊敬の想いを持ち、刺激を受けました。

本番は、とても良いコンサートで、大石さんの歌とピアノに聞き入りました。「けやき」さんもバッチリ練習の成果を出せて、皆様に喜んでいただけました。

この日は、日本熊森協会会長でいらっしゃる森山まり子さんによる講演もありました。日本の原生の森を守り残さなければいけないという、とても濃く熱い内容でしたが、これはまた改めて書こうと思います。

思いがけず、クリスマスイヴという日にサンタさんからプレゼントをいただけたような1日を持てました。感謝。

「ヘンゼルとグレーテル」の本物

先日、BSプレミアムで、夜中ですが、オペラ「ヘンゼルとグレーテル」が放映されました。ウィーン国立歌劇場の昨年11月の公演で、指揮がティーレマンです。このタイムリーな情報を当日、混声コーラス「さかなの会」の方からレッスン時に伺い、帰宅後、確認してすぐに、生徒さん方へもメール出来るかたにはお知らせしました。

先月の発表会でちょうど「ヘンゼルとグレーテル」を皆で連弾や歌で全部通し、それが楽しかったので、今回本物を見ることで、またワクワクして欲しかったのです。

私はもちろん録画して見ましたよ。一人で見て、一人で感激です。とても素晴らしい演奏、舞台、演出でした。(そりゃ、世界トップクラスの歌劇場ですから、当たり前だ。)何より、発表会で取り上げたので、話もよーくわかるし、曲も知っている曲ばかりなので懐かしく親しめるので、終わったときは一人感動の拍手でした。

さて数日して、お知らせをすることができた子どもの生徒さんに聞くと、今のところ誰も見ていません。

そうなんだ。それじゃ、今度うちでみんなで見ようかなあ。

せっかく発表会で歌ったり弾いたりした親しめる演目ですから、本物に接し、本物の凄さや楽しさを味わえるすごく良い機会であり、無料にして極上の情操教育ですよね。

オペラへの入口を提供できたことにちょっと自負しつつ、本物に接して感動する貴重な経験を逃さないようにと願っています。

…と、まだ一人感激状態であります。

フリーな1日

今日は、久しぶりになーにも予定の無い日でした。

そんな1日、先ずは例の「赤いバラ」を車に乗せて、花の丘農林公園へ。青空は綺麗でしたが、紅葉はすっかり見ごろが終わり、冬枯れの景色の中特に見るものも無く、ぐるっと回って、来た甲斐にと手作り味噌と地元のキュウイを購入して帰りました。

午後は、エイヤッと暗譜に挑戦。来年2月初めに大人のレスナーさん方と「お楽しみ会」をしますが、そこで1曲弾いてみたいと選んだのが、チャイコフスキーの「四季」から1曲目の1月「炉端で」です。間に合うかなと心配ですが、とりあえず暗譜してしまえと、取り組んでみました。

まだ、大変大変たどたどしいながら、なんとか覚えたよー!

するともう「笑点」の時間。「笑点」を見てからは、レッツ・スィングで歌う予定の「浜千鳥」の編曲に挑戦。原曲を混声のコーラス譜に変えるのですが、原曲が美しいので、こんな時間は結構悩みつつも楽しいです。

1日があっという間に終え、もう日が変わる。まあ、なんとか頑張ったかな。

TVで人生勉強

先日、TVをぼんやりと見ながら、元気をもらえたことを書いておこうかな。

一つは、シルヴェスター・スタローンの映画「ロッキー・ザ・ファイナル」。これ途中から見たのに、引き込まれました。

良かったシーンのまずはここ。すでに独立している息子が、仕事でうまくいかず悩んでいたときに、父親が久しぶりの試合に出ること、それがマスコミで大きな話題となっていることを知る。そしてうんざり気分でその父を訪ねる。「有名な親父のおかげでどれだけ苦労をして来たか、父さんはわからないのか。世間は父さんのことを道化者として笑っているんだ。僕も笑われる。お願いだからやめてくれ。」と怒りをぶつける。すると父ロッキーは、謝ったりはせず、「俺は俺の道を自分の責任で歩む。人生は困難がつきものだ。それに立ち向かっていくのが人生なのだ。自分のふがいなさを人のせいにするのは卑怯者のすることだぞ。」とこれまた大声で怒りまくりつつも息子を愛情深く見つめるこのシーン。

もう一つのセリフ、「夢にかけてみたい。たとえ夢で終わっても、挑戦する人生を選択したい。」…メモしたわけでないのですが、確かこんなロッキーのセリフも説得力あったな。

もうワンシーン。すぐにノックアウトされるだろうという世間の予想に反してフルラウンド激闘で持ちこたえ、最後は判定負けするのだけれど、意気揚々と満足げにリングを去るロッキー。そして後日亡き妻エイドリアンのお墓に赤いバラをささげる。すると息子もやって来て二人で抱き合う。

単純な私は、こんなロッキーから生きていくことへの力をもらえたのでした。

それから、もう1件、結構私の好きな番組、「しくじり先生」。

先週は、中田敦彦氏がサン・テグジュペリの「星の王子さま」を解説するコーナーがありました。いろいろ面白かったのですが、終わりの方で星の王子さまが毎日水を与えて育てていた「一輪の赤いバラ」というキーワードについて議論していました。生徒の方々が気づいたこと、中田氏があらためて気づいたこと、それぞれの感性をとても面白く思いました。そして見終えてから、私もふと思ったのです。一緒に生活している障がい者を「赤いバラ」と思うことにしようではないかと。当然「赤いバラ」とは似ても似つかず、まして、もはや愛する対象ともならないにもかかわらず。けれど不思議なことに、そう考えたことで、「一輪の赤いバラ」という言葉が少し可笑しくて、気持ちの中に赤いバラが少し広がり、少し楽になってきたのでしたとさ。

発表会(子どもたちの部)終わる

昨日は、無事に発表会を終えました。子どもの部の生徒さんは9名と少人数でしたが、出演者のご家族やご友人や賛助出演のコーラス「さかなの会」の方々等のおかげさまで、会場の客席が一杯に埋まりました。

出演者全員、とても頑張ってくださり、私としてはとても嬉しい一日でした。全員、本番がベストパフォーマンスだったと思います。

子どもたちにとってのピアノの学習は、楽しい面と大変な面とありますが、大袈裟ですが、目標に向かうプロセスは必ず今後の人生に役に立つと考えています。

弾く曲に対する本質的な創造性、想像力はもちろん、先生の話を理解する力、困難な点を解決していこうとする力、目標に向かうための計画と方法と努力、そんなことも学んで欲しいと考えつつ指導しましたが、皆、良くついてきてくれました。皆、本番はバッチリで、本当に偉いなと思いました。見守って下さいましたご家族様にも感謝いたします。

継続は力なり。ぜひ、この調子で少しづつでも大きくでも、自分なりのペースで楽しみつつ続けていただきたいと願っています。

さて、新生「さかなの会」の方々も有難うございました。とても好評です!魔女の親分子分様、お疲れ様でした。さすがでした!

「ヘンゼルとグレーテル」の歌のお姉さんとおば様、そしてお手伝いのピアノの方々も本当に有難うございました。超楽しかったです。

さあ私も、さらに指導も指揮もピアノも磨きをかけねばと決意を新たにしております。

発表会まであと少し

今月11月19日に子どもの生徒さんの発表会をします。会場は川口リリアカワイショップサロンです。登校日と重なってしまった生徒さんがいらっしゃるため、開演を15時15分としました。よろしかったらお出かけください。

今回は子供たちの部ということで、人数は9名(中学生、高校生が忙しくて参加できず、また直前に辞められた生徒さんもいらして、予定よりも少なくなってしまいました)の小さな発表会ですが、結構楽しいコンサートになりそうです。

一人一人、今、目標に向けてとても頑張っていますし、新生混声コーラス「さかなの会」も発表してくれます。(曲目「浜辺の歌」、「心の瞳」)

そして、私もソロ曲を披露致しますよ~!(今回はリスト「愛の夢」です。)

それから、今からワクワクドキドキなのですが、オペラ「ヘンゼルとグレーテル」のお話と歌と連弾があります。

お話は友人のお嬢様にナレーターをしていただきます。歌は、声楽家の友人と子供たちとコーラス「さかなの会」の方々に歌ってもらいます。

魔女役はさかなの会のオジサン方にお願いしました。(親分と子分なのですが、うまくいくかなぁ…と思いつつ楽しみです。)

この試みのように、オペラを大まかに筋を追いながら、連弾したり、歌を入れることで、情景や内容と音楽とがしっかり結びついてイメージできるので、演奏する時の表現の中身を理解しやすくなります。おかげで子どもたちの表現力が広がったように感じています。

私としては、フンパーディンク作曲の「ヘンゼルとグレーテル」はとても気に入っていまして、毎年してみようかしらなんて思いたくなるほどです。

さて、あと1週間、準備頑張ろう。

音楽家のつどい

昨日は与野音楽連盟の毎年恒例となった「音楽家のつどい」コンサートでした。

与野音楽連盟に加入している近隣の音楽講師や演奏家のコンサートですが、ピアノ、声楽、フルート、ハーモニカといった多彩な演奏会でした。

演奏のみで独立しているプロとは違い、指導や他の仕事の傍ら演奏活動を続けている音楽家のつどいです。

こういった場があることは、大変勉強になります。今年は私は声楽のかた2人(賛助合わせて3人)の伴奏で出演させていただきました。

演奏についての勉強のみならず、いろいろ情報交換も出来ましたし、さまざまな人生模様の輪も広がり、楽しく有意義な1日でありました。

会長、副会長と

Sop.熊木さんと

 

10月

10月が飛ぶように過ぎ、もうあと1週間です。手帳を振り返ってみると、我ながら定期的な普段の仕事以外にもよく動き回っています。○○暇なし。

まず月はじめは、年末に盲目のピアニストとの競演コンサートがあり、その方にコーラスの伴奏をしていただくため、その伴奏曲3曲を自宅で録音し、データをその盲目のピアニストへ送りました。一人で演奏し、録音し、パソコンでCDにする作業は難しくは無いのですが、結構神経減りますなり。

続いて、コーラスのちょっとした本番がありました。レッツ・スィングの浦和連協での発表、そして同じ週に秋の浦和合唱祭での発表でした。「アヴェ・ヴェルム・コルプス」その他を歌いましたが、講評に「丁寧なラテン語の響きが印象的でした」などと書いていただけまして、一番気にしていたところでしたので、カタカナ読みに挑戦してくださった団員の方々に大きく感謝です。

昨日は熊谷のけやきコーラスさんがタンポポの会というコーラス祭に出演し、なんとか無事に皆さん初暗譜を果たしてくださり喜んでいただけホッとしています。

半ばに、埼玉近代美術館へ今年9月に亡くなられた洋画家、塗師祥一郎の追悼展を見に行きました。この方は存じ上げませんでしたが、新聞でその作品を知り行きたくなり、夫を連れ一緒に行きました。「未来に遺したい埼玉の風景」という副題の展示会で、秩父、見沼代用水、大宮公園等の風景が身近に感じられ、また、とても暖かで静かで芯のある絵で、涙腺の緩んでいる夫は終始ボロ泣きでした。全ての作品がいつまでも見ていたいような絵でした。良い時間を過ごせました。

芸大オペラ「コシ・ファン・トゥッテ」へ行ったことも書いておきたいと思います。(奏楽堂)

これも感激感動しました。演奏ももちろんのこと、ドイツから呼んだミヒャエル・テンメの演出が抜群に良かったです。現代に置き換えての演出で、現代の要素を面白く取り入れ、モーツアルトもきっと喜ぶであろう感じに上手くふざけていました。フェランド君が着替える時に見えたキティちゃんのパンツとか…、デスピーナの色っぽいスタイルとか…、その他いろいろあるのですが、現代にコシファントゥッテという古典の神髄を生き生きと蘇らせていたところが凄いと思いました。

1昨日は、あるコンクールのピアノ大学部門の審査という貴重な経験をさせていただきました。これは、本当にこちらが勉強させていただける経験でした。演奏の難しさと同時に、音楽の素晴らしさ、真剣に集中する空間の尊さのようなものもあらためて受け取れる経験でした。

今月30日は与野産業文化センターで開催される「音楽家の集い」というコンサートがあります。私は声楽の方2人の伴奏で出演するため、その伴奏合わせも今月致しました。ソロでピアノを弾くのとは違う面白さ、難しさがありますが、今回受け持つシューベルトの歌曲は学生の頃憧れていた伴奏です。歌詞とピアノの絡みが面白く、やりがいを感じています。ミュージカル「キャッツ」のメモリーとかも、しっとりして好きで、合わせていて気持ち良かったなあ。

とまあ、こんな今月でして、なんだかドジも少なからずあちこちで披露したためその言い訳でもありまして…。

「第15回ブリランテの会」お疲れ様でした

9月25日に大人の発表会「ブリランテの会」をさいたま芸術劇場音楽ホールで開催し、無事に終えることができました。午後1時に開演し、予定通りちょうど5時に終演できました。参加されました方々、長時間お疲れ様でした。

この催し物は今年で15回目ですが、毎年少しづつ上達される参加者の様子に出演者お互いに励まされていらっしゃるようにお聞きしています。主催する私や、スタッフともどもそれは同じで、プロフェッシャルなコンサートとはまた違う、お一人お一人の人生のパワーをいただいています。

聴いて下さる方に少しでも楽しんでいただき、観客動員につながればと、昨年から司会を入れてみたのですが、そうすぐには効果なく、今年も客席は寂しい状態だったところが、反省点です。

特に上級者の方々の演奏は、もっと広く聴いていただかなくては勿体ないとのご意見も伺っています。来年は何か工夫をせねばです。

とは言え、演奏された方々から、「ホールが良い響きで楽しかった。皆さんの演奏やロビーでの交流も励みになり、もう来年の曲を考えています。」といったメールを多くいただいています。とても嬉しいです。

来年は秋以降になると思いますが、ホールが取れ次第、また連絡致します。皆さまどうぞよろしくお願いいたします。